リネン社http://rinen.cc/index.htmlという日本の若者達が起こした企業が、環境ウェブサービス「OpenTrace」http://opentrace.org/という新しい環境負荷指標と仕組みづくりを進めています。

海外でも大きく注目されていて、ウェブ起業家デビュー戦ともいえる「TechCrunch50」では最終予選に勝ち残っています。

日本語説明
http://soitt.com/storage/opentrace_summary_07060211.pdf

ポイントは原材料・生産地などの簡単な入力でその製品の環境負荷が計算され表示されるということ。

誰でも利用できる、カンタンなシステムをめざしています。

要注目です。

温室ガス削減:企業「炭素会計」試行へ 環境省が指針作り - 毎日jp(毎日新聞)

従来の安全基準・情報開示という指標に加えて、今後、環境対応があらゆる商品で必須となっていくでしょう。

炭素会計の考え方では、安全だ、国産だ、というだけでは成り立たない。

たとえば、塩。国産の煎熬塩と輸入の天日塩では、輸送にかかる「炭素負荷」を考慮しても圧倒的に後者が有利となります。

企業はこのようなことも考慮した生産活動がますます求められていくものと思われます。

http://seica.info/

公的な農産物データベースで、(財)食品流通構造改善促進機構が所有し、(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所及び農林水産研究計算センター(農水省)の協力により運用されています。登録料、利用料無料です。

民間団体(企業含む)が記入代行サービスや数々のアプリケーションソフトを開発しており、「公的」にしては、大変柔軟で利用しやすくなっています。

いまのところ主に農産物が対象ですが、主な加工食品がデータベースの品目としてすでに存在しています。ただ、加工食品のデータベースフォーマットはまだ未開発ですが、民間にどんどん利用してもらいたい、との意向なので、その辺は、積極的なアプローチにより解決するのでは、という印象をもちました。(補足情報は食品総合研究所の担当官に電話で聞きました)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/label/080523_ecoleaf/index.html

今後、環境に関わる認証/認定あるいは情報開示制度が注目されていくでしょう。

エコリーフ制度運営側のサイトはhttp://www.jemai.or.jp/ecoleaf/

たとえば、食用塩はどうでしょう。煎熬塩と完全天日塩ではどの程度環境負荷が異なるのでしょう。

今後、調べていきたいと思います。

2008/06/10追記:社団法人産業環境管理協会に電話でエコリーフ制度についての概要を聞きました。

すべての情報は上記の協会サイトからPDFで入手可能。

エコリーフ制度はいわば「環境負荷情報開示制度」である。商品のレベル自体を示すわけではない。これを「環境ラベル タイプ3」という。

1品目あたり検証費用(初期費用)20万円、登録料3万円、2年目より更新料3万円。複数項目割引あり。プログラムルールが未策定の品目についてはまずルール作りのために「PCR申請」を行う。PCR策定まで3~6ヶ月かかる。マーク付与まで6ヶ月以上かかる場合あり。

環境ラベル タイプ2は、企業自身の基準に基づく自主申告・自主基準マークを指す。

環境ラベル タイプ1としては、公的な商品基準により認証を与える「エコマーク」がある。

調査結果の概要|東京都

今年3月に公表された報告です。

「ぐっすり眠ってさわやかな目覚め」程度でもダメで、薬事法や景品表示法の適用はますます厳しくなっているようです。

商品作りにあたっては、今後さらに十分に注意を要します。

ちなみに詳細で具体的なケーススタディーとしては平成14年の試買調査報告の方が参考になります。http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2004/12/60ecf201.htm

健康食品の試買調査結果からみた景品表示法上の問題点等について|東京都 (2004年12月実施)

この中で、「別添1~不当表示等の具体例」 が厳格に不当表示を指摘しています。

「自然食品」については「1.原材料について~(1)栽培方法」に表示例:「天然の原材料を使用」「天然素材」「全天然」「自然植物を使用」「自然食品」とあり、「不当表示となるケース・理由」として「実際には栽培された原材料を使用している。」として優良誤認にあたるおそれがあるとしています。

栽培=人工=非自然 という判断となっているものと思われます。

仮に東京都で「自然食品」を定義するならば「野生品を採取時の状態そのままで加工せずに供せられるもの」ということになりそうです。

本日(4月18日)付で、公正取引委員会より「食用塩の表示に関する公正競争規約を正式に認定した」旨の文書が公開されました。

「食用塩の表示に関する公正競争規約」の認定についてhttp://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.april/08041804.pdf

天然自然表示表現については、規約第5条に定められています。
「(5) 「天然」、「自然」又はこれらに類する用語「天然」、「自然」又はこれらに類する用語は、「天然塩」、「自然塩」等、塩を直接修飾する表現として使用することはできない。ただし、塩を直接修飾しない表現として使用する場合についてはこの限りではない。」

具体的には、「自然(海)塩○○○○」は×、天塩のキャッチコピー「自然をこの手に」などあいまいな表現も問題となるようです。なかなか厳しいものです。

自然食運動にとって象徴的な存在であった「自然塩」が商品表示においては使用ができなくなることが確実な情勢となりました。

事の発端は2004年7月。実際には輸入塩が原料であるのに、「伯方の塩」などの商品名には「産地誤認」のおそれがあるとして自然塩メーカー9社に公正取引委員会が警告を出しました。

この動きを受けて東京都(生活文化局)が業界に対して表示の自主ルールを策定することを提案。主要塩メーカーによって「食用塩公正取引協議会準備会」が2006年4月に発足。表示に関する公的な業界基準「食用塩公正競争規約」が策定されつつあります。

いよいよその原案が今年1月に公開されました。

概ねこの原案通りに進む見込みとなっています。

この中で注目すべきは、「自然・天然」に類する表示が認められなくなるということ。自然塩・自然海塩・天然塩…など自然食品業界でよく使用されてきた表示ができなくなります。

自然・天然表示については味噌・醤油の公正競争規約で「天然醸造」が特定用語して使用が認められています。自然塩・自然海塩メーカーからは、一定の規格基準を設けた上で特定用語として「自然塩・自然海塩」を認めるようにという主張がなされたものの却下された形となりました。

別件で私が、先週、公正取引委員会に問い合わせた際、担当官は次のように説明しています。「塩をはじめ加工食品品質表示基準に定めのあるもの、また、ないものであっても、加工がなされた食品にあっては自然・天然表示は優良誤認をまねくおそれがあります」

自然・天然表示の優良誤認性については単に食用塩の問題にとどまらず、「自然食品」全般の表示問題に関わることですので、自然食品業界としても注目すべき動きと考えています。このことについては、後日、あらためて書きます。